東京物語 感想 藤野
田舎町は日本中に数えきれないほどあるのに、親の住む町としてあえて尾道を選んでいる。
貧しく時代の波から取り残された場所としての尾道、そこに住む親、そして日本の先端を行
く東京、そこに住む子供たち。この対比で話が進む。
そして伝統を守り、礼儀作法を重んじ、緩やかな時間の流れの親世代に対して、多忙で合理的で金銭感覚の違う子供世代。
二つの世代を衝突させて、子供世代の自立そして親世代のこれでよかったのだというシーンへと導いていく。こういったところが世界共通で、時代を超えて支持されるのだと思う。
1. 子供たちが自立し親が置き去りにされていくような寂しさがある。
このことが世界共通で淡々と描かれているのがよいのだと思う。
周吉がろくにしゃべらないのがまたよい。
2. 周吉、服部、沼田が居酒屋で子供に対する不満と次第に離れていく寂しさを酒で紛らわすシーンがよい。
紀子の住むアパートのシーン。酒の貸し借り、あるんですね、この時代には。
このアパートは横浜の同潤会横浜平沼町アパートというのがネットで流れているが、真偽のほどはいかに。